君色キャンバス
 予想もしてなかった言葉に俺は驚きを隠せなかった。


「……なんでっ……」



「俺は……前お前に言ったよな。

 
 お前の母親は俺の父親に浮気して、俺の母親はそれが原因で塞ぎこみ、自殺に追いやったって」



 ぐっと自分の手を握り締める。


「あ……ああ」



「俺の母親は……元々子どもなんか産める体じゃなかった……。

 それなのに俺はここに産まれてきた……。



 どうしてだか、分かるか?」






――……



 目の前が真っ白になる。

 俺の考えが確実な現実へと結んでいくから。








「俺は――お前の母親と……俺の父との間に産まれた子供だ」








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