君色キャンバス

「榊原さんはっ……知っていたんですか?」

「……まさかお前の母親が……浮気相手の子まで妊娠するとは思わなかった」


「知っていたならなんでっ! 教えてくれなかったんですか?!」

「響が知ろうとするまでは言わないつもりだった」



 ガクッとその場にうなだれる。

 全ての鍵はこんなにもあっけなく明かされて、そのすべてが残酷だ。




「お前の母親は、双子を身ごもった後……そのまま出産した。

 後にやっぱり顔や性格が違ってくる。


 心配した母親がDNA鑑定をするとくっきりと父親違いであることが判明したんだ。


 そっからは北村が自分と血のつながった子供を無理に奪った。

 それが今の優だ」



 
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