君色キャンバス
 
 この気持ちの行き先も分からないまま、一之瀬君の家から離れ、そのまま近くの公園のベンチに腰を下ろす。


 自分の気持ちの焦点が分からない。

 ただただ溢れる涙が何かを壊していくような気がして、悔しかった。

 
 一之瀬君の傍に本気であの時、居たいと思った。

 独りにしたくなくて、私が守りたいと思った。

 助けてあげたい、そう思った。


 だけど。
 完全に拒否されてしまった。


 冷静になって考えて見ると自分勝手な考えで動いてしまって、恥ずかしい。

 これからどんな顔をして一之瀬君に会えばいいんだろう。

 きっと前と同じようには見れない。



 一之瀬君の放った言葉の意味が何なのかさえ理解出来ず、今の自分の気持ちも理解出来ず、どうすればいいんだろう。
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