君色キャンバス
 
 溢れる言葉は私の宝物。

 大切で離したくはないんだ。

 
 ルーズリーフを取り出し、カチカチとシャーペンを鳴らす。

 私の右手が溢れ出す言葉をルーズリーフの上に並べていく。

 
 時間は刻々と進んでいく。

 感情も記憶も全てを塗り替えながら。


 
“例え僕に終わりが見えようと それさえも魅せて欲しい”

 そう書いた文は私の全ての気持ちへと繋がっている。

 
 けれどすぐに周りは鮮やかな色を灰色へと染めてしまう。

 希望? 未来? 夢? 
 そんなもの持っていたってなんの価値もないと安易に呟く。


 私はそんな事ないって伝えたい。

 この世には色褪せているものなんて何一つもないって事を。

 
 私の手から溢れるの想いは世界が落としてる輝きのカケラ。


 だから信じてるよ。全部、信じてるから。


 そして夜が明けた。
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