柚時雨
あの日から俺は
ゆい子から貰ったしゃぼん玉を
通学鞄に忍ばせている。
あれからゆい子とは会っておらず
何だか変な気分の俺。
いつ会っても良いように…って
それはおかしいと思うが。
正直、あのしゃぼん玉を手放せない。
それが俺の本音だ。
もとはと言えば
俺がゆい子のアドレスとか
番号を聞かなかったことが悪い。
あの時は、それどころじゃなかった。
軽くメアドとか聞ける余裕は
俺には全く無かった。
後悔先に立たず。
この言葉が、今の俺には
イチバン心を痛める言葉だ。
そして
ごもっとも。