一生の時間をあなたへ

病室が一気に静かになった

いつ死ぬかわからないから


ひとりの時間がすごく怖くて不安だった

もう少しだけ……

一緒にいて欲しかった


「ごめん!忘れ物した!」


君が戻ってきた

伝わったのかな……なんて


「うん、大丈夫?」


「おう!また明日も来る。毎日来る。だからそんな顔すんなって」


頭をわしゃわしゃ撫でてくれた


涙が頬を濡らした。


「ありがとう」

本当は、知ってる。

忘れ物なんかしていないことを








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