一生の時間をあなたへ
お母さんは、見たことないような顔をして話してくれた。
私、病気なんだ……。
しかも治らないって……
嘘でもいいから希望を持たせて欲しかった。
お医者さんって結構、意地悪だな…
「お母さん、入学式、行きたかったな」
「…そうだね。お母さんも行きたかったよ。」
お母さんは、泣いていた。
「杏樹、体が落ち着いたら学校に行って写真とろうね。」
「うん!」
私の目からいろんな感情が混ざったぐちゃぐちゃの涙が
ボロボロと零れた。