一生の時間をあなたへ

ホームルームが終わって、クラスのほとんどが下校し始めたころ。

「西垣君!」

担任だ。

「何ですか?」


「あの、間宮さんのお見舞いに行ってくれませんか?」

「俺、ですか?」

「はい。いろんな人に頼んでみたんですけど、誰も……」


結構、みんな薄情だな。まぁ、いろいろあるんだろうけど……

「俺、行きますよ。暇だし」

「ありがとうございます!!」

担任は、目を潤ませて、喜んでいた。


いい先生なんだろうな、何て考えながら

俺は、学校を出た。






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