Tower of Fantasy
この広い家の最も奥にある一番豪華な部屋の前でため息をつき、ドアをノックする。
「お入り」
大嫌いな声に再びため息をつき、ドアを開いて中に入った。
サーラはドアの前で軽くお辞儀し、顔を上げた。
先程までとは打って変わって上機嫌そうな顔。
「おかけ」
しずしずとソファーに腰掛ける。
満足そうにサーラを眺めていたグローシアはくすりと笑い、
「サリスティー、あなたの結婚相手が決まったわ」
と告げた。
「縁談でなく、決定なのですか?」
「ええ、決定です。ビルフィセル家の次男なのでセレスディア家に婿養子で入れるらしいわ。家柄もよく、おまけにあなたの冒険ごっこも続けていいとおっしゃっている。こんな良い方はいらっしゃらないでしょう?」
サーラは歯を食いしばった。
ごっこですって?!ふざけんじゃないわよ!
そう怒鳴ってやりたいが、怒鳴ってこの婚約がなしになってしまうのは避けたかった。
「お受けしていいでしょう?」
「…はい」
「では一週間後、婚約のお披露目パーティーを開きます。なのでこの別荘を一旦離れ、あなたの母がいる本家に帰るわ。あなたと一緒に来ている者たちにも準備をさせておきなさい」
「…はい」
「お入り」
大嫌いな声に再びため息をつき、ドアを開いて中に入った。
サーラはドアの前で軽くお辞儀し、顔を上げた。
先程までとは打って変わって上機嫌そうな顔。
「おかけ」
しずしずとソファーに腰掛ける。
満足そうにサーラを眺めていたグローシアはくすりと笑い、
「サリスティー、あなたの結婚相手が決まったわ」
と告げた。
「縁談でなく、決定なのですか?」
「ええ、決定です。ビルフィセル家の次男なのでセレスディア家に婿養子で入れるらしいわ。家柄もよく、おまけにあなたの冒険ごっこも続けていいとおっしゃっている。こんな良い方はいらっしゃらないでしょう?」
サーラは歯を食いしばった。
ごっこですって?!ふざけんじゃないわよ!
そう怒鳴ってやりたいが、怒鳴ってこの婚約がなしになってしまうのは避けたかった。
「お受けしていいでしょう?」
「…はい」
「では一週間後、婚約のお披露目パーティーを開きます。なのでこの別荘を一旦離れ、あなたの母がいる本家に帰るわ。あなたと一緒に来ている者たちにも準備をさせておきなさい」
「…はい」