Tower of Fantasy
「…っ！……はあああああああっ！！！！！」


「………」


ルイスは謎の破壊音の元凶を見て唖然とした。

サーラとアレフが一騎打ちをしていたのだ。

しかもただの一騎打ちではない。

アレフはジャストエンドソードを使い、サーラはライトソードと他の魔法、そして自分の剣術を駆使して戦っていた。


「『炎よ水よ風よ光よ。目覚めよ』！『イルーザ』っっ！！！」


魔法剣士の最強攻撃魔法のひとつをアレフは簡単に打ち払う。


「ちょっ、これ何がっ……ああああああ！！！」


遅れてやってきたリューロはサーラが巻き起こした爆風で元いた方向へ飛んで行った。


「『風よ、纏え』！『ウェアウィンド』！」


武器にかける強化魔法。かまいたちと同じ原理で、鋭く敵を斬り裂く。

ライトソードに追加してかけると、威力は通常のライトソードをはるかに上回る。


魔法剣士はレア職業だ。魔法適正値(魔法を使うのに適した体であるかを数値化したもの)が高い者は通常魔法使いになるからだ。

そして剣術を学んだ後から魔法適正値が高いことを知った者の一部が魔法剣士になる。

そしてそういった魔法剣士が習得する魔法の量は1~3である。それ以上は習得しても使いこなせないからだ。

しかしサーラは数十種類の魔法を習得し、さらにそれらを全て使いこなしている。

並みの魔法使いよりも高い魔力、凄まじい努力、そして才能。

その全てを駆使して彼女は魔法剣士最強の頂きにたどり着いている。


しかし、まだなお彼女はさらなる高みを目指す。


「サーラ…」


心配そうな呟きは、爆風の中に消えていった。
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