Tower of Fantasy
「サーラ!あいつをぶっ殺しに行く!離してくれ!」


「アクア、どうしたの?何があったの?」


屋敷を飛び出してからアクアはサーラの腕の中で暴れていた。

突然激昂したアクアに、サーラとルイスは顔を見合わせた。


「あいつがっ……あいつのせいで私達は……!」


ぼろぼろと涙がこぼれ落ちる。


「アクア…どうしたの…?」


「あいつが…私達の森を…」


サーラは息を飲んだ。

ルイスはよく分からない顔をしている。


「……そう」


サーラはぎゅっとアクアを抱きしめた。

そしてそのまま、


「今日は久しぶりの3人旅よ?頑張ろうね」


と、優しく声をかけた。


「…ああ」


アクアは涙を拭き、そう答えた。


「『飛べ、身体。羽ばたけ、見えぬ翼』。『フライ』」


アクアがそう唱えると、全員の体がフワッと浮いた。


「魔力消耗しちゃうわよ?」


「大丈夫だ。この村を出るまでだから」


「さんきゅ、アクア」


サーラたちは走るよりも速く、村の上を飛んで行った。
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