Tower of Fantasy
「アクア、ローゼとルイスに浮遊魔法。そこの窓から脱出する。そのまま安全地帯まで飛べる?」


「勿論だ」


「ローゼ、持ち出すものはある?ここにはもう二度と戻ってこれないかもしれない」


「大丈夫、眠る前にバッグに詰めていたの」


「じゃあ行けるわね?ルイス」


「了解」


ルイスはさっと窓を全開にした。


「アクア、脱出」


「了解。『飛べ、身体。羽ばたけ、見えぬ翼』、『フライ』」


「わ、わわわわ」


「ローゼ、慣れてないからしんどいかもしれないけど頑張ってね。脱出!」


「「了解」」


「ひゃああああああ!!!」


3人が脱出完了したのを確認し、サーラは数十体目のモンスターを倒して自分も窓に向かった。


「待ちなさい」


突然、女の声が響いた。

振り返ると、黒いマントを羽織った美しい女性がサーラを見つめていた。


「……!」


モンスターからする、禍々しい気配。

この女は、人間じゃない。


「『全てを我が手に、敵を葬らん。我が身、この世に溢れし力をもって敵を討ち滅ぼさん』」


未だかつてない強敵の気配に、口の中で習得したばかりの詠唱を呟く。

魔力が一気に練り上げる。


「あなたが…私を倒せる?」


女がそう言って微笑んだ瞬間。


「『ジャストエンドソード』!!!」


練り上げた魔力を一気に放出。


「はあああああああッッッ!!!」


先手必勝。

女に斬りかかった。
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