したたかな彼女
下にいたのは二人の男性。
一人は芳樹で、もう一人は見覚えのある顔の男。
「水谷さん!」
まりえは急いでドアを開け、ベランダから大きく手を振った。
「あ、まりえちゃん?!」
男はまりえの知り合いだった。
彼の名前は水谷 清志。
二人は高校の同級生だった。
「知り合い?」
芳樹は水谷に尋ねる。
「うん、高校の同級生」
まりえと水谷は通信の高校で知り合い、青春を共にした良き友だった。
だけど卒業してからは、過去に一度しか遊んだことがない。
「久しぶりだね!」
水谷は駐車場から、3階のまりえに向かって手を振り返えした。