したたかな彼女
「花見・花火・キャンプもバーベキューとか色々したね」
「闇鍋とかもね!」
昔話に花が咲く。
「充実した青春時代だね」
と芳樹。
「私はまだ青春真っ最中なんですけど」
とまりえ。
「みんなどうしてるのかな・・・。 久々に会いたいな」
と水谷。
芳樹が“楽しそうだな”と心の中で思う。
だけど二人の思い出話には大切なものがかけていた。
忘れてしまったのではなく、触れないようにしていた。
みんなそうだ。 優しいから気を使うんだ。 相手を傷付けないように。
きっと思い出から消されてしまうほうが淋しいのにさ。
でも消されている相手はそんな事も知らない。
その昔話は、また別のお話で・・・。