したたかな彼女

ある日、三人で食事をすることになった。

きっかけはまりえが芳樹の手料理を食べたいと甘えたから。

芳樹は高校生の頃から飲食店と工場でしか働いた事が無い。

料理が好きなのもあるが、それ以上に他の職につく勇気も無かった。



「なるべくたまご料理は食べたくない。 もちろん場所にもよるけど」

そう言う芳樹のたまご料理のうではたしかなもの。



「じゃあ、ほんとうかどうか、今度作ってよ」。 とまりえは言った。


「ああいいよ。 俺ひまだし、志保ちゃんとおいでよ」



こうして三人で会う事になる。

志保はその話を後からまりえに聞いた。



「10、13、21、22どの日あいてる?」


「えっとね、13日!! もぅ、すごい楽しみ★」

志保は芳樹と遊べる事がなによりうれしかった。

彼が辞めてからというもの、全く姿を見ていなかったから。

まりえがちょこちょこと芳樹と出会っては話をしているのが不思議なくらい。

それは多分、水谷つながりだろう。


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