したたかな彼女
ピンポンピンポーン
誰かが店の中に入ってきた。
志保はふと入り口を見ると、入ってきた客は芳樹だった。
「あ、」
芳樹もすぐ志保に気がつき、微笑んだ。
「こんにちわ」
志保は芳樹に近づき、芳樹も志保に近づく。 そしてレジ前辺りで話し出した。
「いま私たち帰りなんだよ」
「俺もだよ。 夜ごはん買いにきた」
まりえも話し声で気がついていたが、そのまま買うパンを決め、気にせずレジに並んだ。
「決まったの?」
志保がまりえに声をかけると、二人に笑顔を向け、まりえは「うん」と言ってうなづいた。
そして芳樹と志保はまた話し出す。
「今日は気てくれてありがとね」
「相変わらずおいしかったよ。 まりえちゃんも気に入ったって」
芳樹はまりえを見て笑った。
「ありがとね」
まりえは笑顔でうなづくだけ。
彼女のレジが終わるまで、志保と芳樹はずっと喋っていた。