カワイイ子猫のつくり方
そこには子猫がちょこん…と座っていた。
キーボード上に。こちらに背を向けて。
何やら懸命に身を乗り出し、小さな前足を伸ばしてはキーを押している。
(…ミコ?)
「悪戯したら駄目だろう?」と、その身を抱え上げようと思いながらも、目線は何気なく移した画面上へと釘付けになっていた。
開いたままになっていた検索ページの画面上のバー部分に、長い文字列が表示されている。
その打ち込まれた文字の数だけ、ミコが悪戯したということなのだろうが…。
(――何だ…?これは――…?)
朝霧は我が目を疑った。
そこには、ただの文字列などではない、意味を成す言葉が並べられていたのだ。
そう、しっかりと『言葉』なのである。
ただ、いたずらに適当に押された文字などではない『文章』がそこには打ち込まれていた。
(こんな偶然、有り得ない…)
子猫の悪戯でたまたま文章が出来上がることなど、確率的に無いに等しい。
それでなくとも、このパソコンの入力方法はローマ字入力に設定している。普通に日本語の文章を打つにも、それを理解していないと難しい筈なのだ。
朝霧は身動きすることも忘れて固まっていた。
その間にも、ミコが再びキーに手を伸ばそうとしている。
「…ミコ…?」
思いのほか動揺が声に出てしまったのか、僅かに掠れた声が出た。
だが、目の前の子猫には届いたようだ。
ビクリ…と動きを止めると、ミコはゆっくりとこちらを振り返った。
キーボード上に。こちらに背を向けて。
何やら懸命に身を乗り出し、小さな前足を伸ばしてはキーを押している。
(…ミコ?)
「悪戯したら駄目だろう?」と、その身を抱え上げようと思いながらも、目線は何気なく移した画面上へと釘付けになっていた。
開いたままになっていた検索ページの画面上のバー部分に、長い文字列が表示されている。
その打ち込まれた文字の数だけ、ミコが悪戯したということなのだろうが…。
(――何だ…?これは――…?)
朝霧は我が目を疑った。
そこには、ただの文字列などではない、意味を成す言葉が並べられていたのだ。
そう、しっかりと『言葉』なのである。
ただ、いたずらに適当に押された文字などではない『文章』がそこには打ち込まれていた。
(こんな偶然、有り得ない…)
子猫の悪戯でたまたま文章が出来上がることなど、確率的に無いに等しい。
それでなくとも、このパソコンの入力方法はローマ字入力に設定している。普通に日本語の文章を打つにも、それを理解していないと難しい筈なのだ。
朝霧は身動きすることも忘れて固まっていた。
その間にも、ミコが再びキーに手を伸ばそうとしている。
「…ミコ…?」
思いのほか動揺が声に出てしまったのか、僅かに掠れた声が出た。
だが、目の前の子猫には届いたようだ。
ビクリ…と動きを止めると、ミコはゆっくりとこちらを振り返った。