カワイイ子猫のつくり方
思わずブルブルと毛を逆立てていると。
「お前は大丈夫だったのか?」
朝霧が聞いて来た。
『…え?』
こちらを気遣うようなその言葉に、思わず目を丸くしていると。
「あの人には既に常識が通用しないからな。変にいじられたりされなかったのなら別に良い」
溜息交じりにそう言われて、実琴は慌てて頷いて見せた。
『大丈夫だよ。それに、久し振りに人と話せて嬉しかったんだ。猫になってから誰とも話せなかったし…。守護霊さんには、すごく気持ち救われたんだよ』
ゆっくりと前足で文字を指し示し、言葉を伝えていく。
朝霧がちゃんと目で追ってくれているのを確認して、実琴は再び続けた。
『私…。朝霧にもずっと話をしたかった。でも、伝える術[すべ]がなくて。結果的に騙すような形になっちゃって…本当にごめんなさい』
やっと、ずっと伝えたかった言葉を伝えることが出来た。
『ずっと…謝りたかったんだ…』
そっと見上げると、少し驚いたような顔をした朝霧と目が合った。
『ごめんね』言葉だけでそう言うと、実琴はペコリと頭を下げる。
(実際は「にゃー」としか言えてなかったけれど。)
朝霧は暫く、そんな実琴を無言で見下ろしていたが、小さく息を吐くと「別に…」と口を開いた。
「お前が謝る必要はないだろう。俺が勝手に連れ帰っただけだしな」
『…あさぎり…』
「お前は大丈夫だったのか?」
朝霧が聞いて来た。
『…え?』
こちらを気遣うようなその言葉に、思わず目を丸くしていると。
「あの人には既に常識が通用しないからな。変にいじられたりされなかったのなら別に良い」
溜息交じりにそう言われて、実琴は慌てて頷いて見せた。
『大丈夫だよ。それに、久し振りに人と話せて嬉しかったんだ。猫になってから誰とも話せなかったし…。守護霊さんには、すごく気持ち救われたんだよ』
ゆっくりと前足で文字を指し示し、言葉を伝えていく。
朝霧がちゃんと目で追ってくれているのを確認して、実琴は再び続けた。
『私…。朝霧にもずっと話をしたかった。でも、伝える術[すべ]がなくて。結果的に騙すような形になっちゃって…本当にごめんなさい』
やっと、ずっと伝えたかった言葉を伝えることが出来た。
『ずっと…謝りたかったんだ…』
そっと見上げると、少し驚いたような顔をした朝霧と目が合った。
『ごめんね』言葉だけでそう言うと、実琴はペコリと頭を下げる。
(実際は「にゃー」としか言えてなかったけれど。)
朝霧は暫く、そんな実琴を無言で見下ろしていたが、小さく息を吐くと「別に…」と口を開いた。
「お前が謝る必要はないだろう。俺が勝手に連れ帰っただけだしな」
『…あさぎり…』