幸姫
第1章
迎えに参りました
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「秋夜さん」
「あ?」
「本当にこんなちっぽけな町に居るんですか?」
「あぁ」
「僕は何も感じませんけどね」
「俺には分るよ。アイツの力が。アイツは確かにここに居る」
「本当ですか〜?」
「さっきからうるせぇな、拓海(たくみ)は。少しは黙れ」
「でも、これで何軒目ですか?覚えている数では100は行きましたよ?」
「次こそ確信がある。この力は、アイツしかないものだから…」
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「この前ね〜、家族旅行したんだ!」
「アタシのとこは遊園地行ったよ!」
「え〜、いいなぁ!!」
たまに出る、家族自慢
聞くのは好きだし、嫌いじゃない
でも
「唄花(うたか)は?」
「…ちょっと、唄花には両親居ないんだよっ」
「え!?ごめんね…」
話を振られると困る
私には両親がいない
いつからだなんて分からない
ただ、物心ついたぐらいから私は施設にいた
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