幸姫



 警備が厳重にされた門を潜りぬけ、私達はついにお城の中へと入った


 「「「「お帰りなさいませ!!マリア姫っ!」」」」


 扉を開けると、そこには両端に分かれ、綺麗に一列に並び、道を作る人達が待っていた


 「え…なに???」

 その光景に私はただ立ち止まり困惑するしかなかった

 しかもマリアって誰??


 「マリアは本来のお前の名前だ」


 そんな私に秋夜さんは一言かけた


 って…マリアが私の名前……??

 「何言ってるの?私は唄花よ??」

 
 「それは人間界で生きるためにつけられた名前。元の名はマリア・アンドレット」


 「意味わかんないんだけど…」

 「マリア姫それがお前なんだ」


 ……ほんと今更なに

 姫だの、お父さんだの

 唄花じゃなくて、マリアだの

 受け入れられるわけなくない!?

 無理だよ、急になんて


 
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