幸姫


 
 もちろん王様は断った

 だが、それがジュライガントの怒りに火をつけたのか

 ある日突如前触れもなく、悪魔の軍団が城を襲った


 「王様!!!」

 「どうした?そんなに慌てて」

 「結界を揺るがす何かを感知したので調べてみたら、悪魔の軍団が結界を壊そうとしています!!」


 「なんだと!!?……戦いの準備をしよう。兵を集め伝えろ」

 「御意」


 俺の親父はもちろんの事、たくさんの騎兵が集められた

 俺はその時、偶然にもマリアの部屋にお泊りしていた

 訓練を親父に習い日頃から積み重ね、能力がついたのか、爆睡していた俺は、何かに反応したように目を覚ました

 隣では気持ちよさそうに眠る、マリアの姿があった

 起こす訳にもいかないしな……

 俺がそう思いながらの窓の外を見てみると、そこには地獄絵図が写っていた

 血を流し倒れこむ騎兵に、必死に悪魔と戦う騎兵

 まだこの部屋には気づいていないようだ

 俺はマリアを強引に起こすと、安全な場所へと歩き出した


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