幸姫


 王様はそれほどマリアを大切に思っているんだ


 「悪魔どもに顔を知られた以上、隠す事にしたんだ。私も知らない、もちろん秋夜も街の人も知らない地へ、送る。私が死にそうになったら、秋夜がマリアを探して保護してくれないか?」


 「俺がですか!!?でもどうやって……」


 誰も知らない場所に飛ばされるのに、俺が分かるはずない

 「大丈夫だ。死に際になると、徐々に魔力はマリアへ戻る。それが目印だ。いつも側にいた秋夜しか見つける事は出来ない仕事だ。微かなマリアの魔力を辿ればきっと、知らない地でもたどり着けるはずだ」


 ………俺にしか、出来ない仕事

 「…俺やります。そして、世界一の魔術剣士師になってみせます!」


 最後のは俺の夢だったやつ

 魔術剣士は俺の憧れでもあり、親父みたいな剣士になりたいという、夢でもあった

だから俺は姫を見つけるその日まで、技を磨き、もうあの様な思いはしないように、強く……強く




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