幸姫


 とりあえず私服に着替えて、ご飯食べに下へ行かなきゃな

 リビングへ向かおうとドアへ身体を向けた時


 誰かの声が聞こえた


 「…姫さんか?」

 低くて、でも何だか耳あたりのよい、落ち着く声

 聞いたことの無いはずなのに、その声に不思議と懐かしさを感じた

 「あれが姫さんですか?後ろ姿でよく分かんないなぁ〜」

 その後ぐらいにもう一人、男の声が聞こえた


 声の聞こえた方を振り向くと、外から部屋の中を覗きこむ二人の男がいた

 男がいることも驚いたが、それより驚いたのが


 「どういうとこ……っ!?」

 ここは二階なのに、部屋の中を覗き込めているという、現状


 浮いてるとしか、考えられない


< 6 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop