彼女と彼らの6ヶ月の物語
初めて見た拳銃。
そして、彼が放った9割脅迫の要求。
どうしていいか分からず固まっていると
「返事は?」
「えっと……はい。」
返事を催促され、わたしは無意識に肯定の言葉を言ってきた。
わたしの返事を聞くと、彼は満足そうに向けていた拳銃をしまい
「橘 隆友。俺の名前な。よく覚えとけ。」
そう言いながら立ち上がり
「次、来週な。」
と、新見さんさんに告げると、拳銃を置いて部屋を出ていった。
30秒くらい固まったままだった新見さんは、ふいにこっちを向いて真剣な眼差しで
「いいか?僕と隆のことは絶対に他に話しちゃいけない。話したりしたらすぐ殺されるからね。まじで。それと来週末、1日でいいからここに必ず来て。あ、そうだ、連絡先も教えて。あと念の為言っとくとこれはモデルガンだから安心して?」
と、言ってきた。
とんでもなく物騒なこと言われた気がするし、来週末に来ること決定になってるし、めちゃくちゃだと思った。
だけど、わたしが出す答えは
「はい、分かりました。」
それ以外ありえない。ということも理解できた。
そして、わたしたちは連絡先を交換した。
それは同時にこの秘密を守り続けるという約束となった。