彼女と彼らの6ヶ月の物語
中に入ってみるとこの間と同じ少し寂しそうな部屋に通され、同じソファに座ると
橘さんもこの前と同じ位置に座った。
そして、唐突に話が始まった。
「で?お前、どこまで俺らの役に立てる?」
「え、役に立つってどうやって…ですか?」
「俺と達也の仲間として、仲介役として、どこまで動けるか。って聞いてんだよ。」
「えっと…そもそも、どうしてわたしが新見さんと橘さんの仲介役をするのか教えてくれませんか?」
彼の話す内容に戸惑いながら、ずっと気になっていたことを思いきって聞いた。
そして、少しだけ後悔した。
「はぁ?お前、あいつにどこまで聞いた?」
「どこまで…って何も…。」
橘さんのオーラの変わりようにびびりながら答えた。
「じゃあ、先週俺が帰ったあと、あいつは何を話した?」
「ふ、2人との関係を秘密にする事と、今日ここに来ること、あと連絡先聞かれました!」
「…は?それだけ?」
「…はい。」
ほんっと使えねぇ。と小さく呟きながら
徐々に怒りのオーラを纏う橘さん。
普通に恐い。なんか、うん、オーラが半端ない!!
「はぁ…。いいか、よく聞け。大事な話だ。」
「…はい。」
急に恐かった雰囲気がなくなり、真剣な眼差しになった。
その姿を見て、わたしも自ずと真剣になる。