彼女と彼らの6ヶ月の物語
どのくらいそうしていたのかも覚えていない。
暫くしてずっと心配していたお兄ちゃんが来て、警察を呼んでくれた。
わたしはその時にはもう有段者だったが、正当防衛で罪に問われることはなかった。
その頃からわたしはクズを執拗に嫌った。許せなかった。人を平気で傷つけようとするヤツらが。
元カレは金髪だった。
だからこの間の人は重なって見えたこともあり、余計に見逃したくなくなった。
まぁそのお陰である意味大変なことになったんだけど…。
お兄ちゃんはわたしの事になると重度の心配性になる。
事件の後から付き合う男は必ず兄ちゃんを通せー!
って言ってきた。
特に好きだと思う人は出来なかったけど、クラスで人気のある男子に付き合おうって言われたときに、迷ってお兄ちゃんに相談したら却下された。
そんなこともあって男の人と関わることが面倒くさくなった。
何度か好きだ、とか付き合おう、とか言われたりもしたけど、全て断った。
その度に由紀に小言を言われている。
由紀は事件のあと顔面蒼白って言葉がぴったりだと思うくらい青ざめてしんぱいしてくれた。
そして、あたしがヤツらを警察送りにしたことを話すと、褒めながら涙を流し、落ち着いてからはお腹を抱えて笑ってくれた。
由紀とはお互いのことをよく話す。
だからいつか、わたしがすごしている夢のような時間を教えてあげたい。
絶対に話すから、待っててね、由紀。