彼女と彼らの6ヶ月の物語
【竜也side】
新見さん!
「ん?」
突然呼ばれた気がして振り向いた。
「例の女子大学生、調べましたよ。」
そう言った男は僕の情報屋だ。
今は異動したため利用することも減っていたが、捜一に所属していた時からの繋がりだ。
隆を頼るほどのものでもない事件の時に利用していた。
結構な額を支払うが、その対価として情報が間違ったことは一度もない。
「さんきゅー」
そう言いながら資料を受け取り、金を渡した。
額を確認したあと男は満足そうな顔をして、またご用の際は連絡ください。
と言って去っていった。
例の女子大学生というのは黒崎凛のことだ。
初めて見たときは驚いた。
ダークブラウンのさらさらなロングヘア。
小さな顔には形の整った眉、切れ長の二重の目、形の良い鼻に潤った唇。
しっかりは分からないが、おそらくスタイルも抜群。要するにまれに見る美少女だ。
その少女が男を気絶させていた。
見た瞬間プレイボーイとしての血が騒いだ。
まずはお友達から―――――なんて思っていたが……
仲間にするなら話は別だ。
彼女の全ての情報を知っていないと、こっちが不利になる。そう思い、彼女の事を調べさせた。
中身を確認し、隆に電話をかけた。
隆にも彼女の全てを知ってほしかった。
彼女の全てを知り、僕は彼女を受け入れる決心をした。