例えば星をつかめるとして
「……!」
笑っていたところに、突如投下された、爆弾レベルの発言。
叶多はまっすぐ私を見て、幸せそうに、嬉しそうに目を細めていた。
「君が悩んでたり、疲れたような顔してるのより、笑ってる方が好きだなって思うから」
爆弾は、留まることを知らない。これを意図しないで言っているのだろうから、叶多は手に負えないと思う。いつの間にか、発作のように止まらなかった笑いはやんでいる。
水面はきらきら光っている。それに照らされて、星野も、きらきら光って見えた。
「……もう、何言ってるんだか」
照れ臭くて、気恥ずかしくて、私は結局そちらから視線を外した。
「で、欠片は? 取れたの?」
意図的に話題を変えるように、そう訊ねる。幸いにも叶多は前の話題を引きずる気はないらしい。得意げに頷くと、握っていた手を差し出した。
「しっかり取れたよ。今回は小さかったんだけど」
中から現れ出たのは、もはや見慣れた銀色の物体。言葉通り、今まで見た中で一番小さく、拳大ほどしかないけれど。
「目的は達成出来た、かな。……その前に、乾かさなきゃだけど」
叶多が自分の体を見下ろして、そう言った。私も、知らないうちに飛沫がかかってしまっていたらしい。全体的にしっとりとしていた。
私たちは顔を見合わす。やっぱりなんだかおかしくて、二人してへへへ、と笑った。