例えば星をつかめるとして
特に深い考えももたず、足を進めて手を伸ばす。
それは拳の大きさほどの、銀色の塊だった。
細長い三角錐を二つ繋げたような形をしている。表面は滑らかでなおかつ光沢があることから金属かとも思ったのだが、それにしては軽い。アルミ、だろうか?何故こんなところに?
それにしても、綺麗だ。つやつやしていて手触りも良い。太陽の下にあったのにひんやりとしていた。
物珍しくてべたべた触りながら、何度もひっくり返したり撫でる。すると。
「痛っ……」
不意に、左の指先に鋭い痛みが走る。見ると中指が切れてしまっていた。どうやら、錐の頂点の部分が思っていたよりも鋭かったらしい。思わず落として地面に転がる銀色にも、私の赤が付着していた。
見る間に、あとからあとから血が流れてくる。案外深く切ってしまったようだ。
絆創膏、貼らなきゃ。何枚かポーチに入れっぱなしだった気がする。とりあえず、東屋の裏に水道があるはずだから洗おう。
足早に、東屋の方に戻る。おぼろげな記憶は正しかったようで、蛇口をひねるとぬるいながらも水が流れてきた。手早く洗い流して、取り出した絆創膏を巻く。
出血量はあったけれど、痛みはそんなにない。ほっと一息ついていると、視界の端で何かが光った。
「……え?」
それは拳の大きさほどの、銀色の塊だった。
細長い三角錐を二つ繋げたような形をしている。表面は滑らかでなおかつ光沢があることから金属かとも思ったのだが、それにしては軽い。アルミ、だろうか?何故こんなところに?
それにしても、綺麗だ。つやつやしていて手触りも良い。太陽の下にあったのにひんやりとしていた。
物珍しくてべたべた触りながら、何度もひっくり返したり撫でる。すると。
「痛っ……」
不意に、左の指先に鋭い痛みが走る。見ると中指が切れてしまっていた。どうやら、錐の頂点の部分が思っていたよりも鋭かったらしい。思わず落として地面に転がる銀色にも、私の赤が付着していた。
見る間に、あとからあとから血が流れてくる。案外深く切ってしまったようだ。
絆創膏、貼らなきゃ。何枚かポーチに入れっぱなしだった気がする。とりあえず、東屋の裏に水道があるはずだから洗おう。
足早に、東屋の方に戻る。おぼろげな記憶は正しかったようで、蛇口をひねるとぬるいながらも水が流れてきた。手早く洗い流して、取り出した絆創膏を巻く。
出血量はあったけれど、痛みはそんなにない。ほっと一息ついていると、視界の端で何かが光った。
「……え?」