例えば星をつかめるとして
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澄佳へ
突然の手紙で、君は驚いているかもしれないね。それとも、もしかしたら別の人の手に渡ってしまったのかな。ちゃんと届くか、それとも届く前に僕と一緒に消えてしまうか、わからないけれど、君に届けば良いと思いながら、今、この手紙を書いてるよ。
君は、今、元気かな。頑張りすぎてしまう澄佳のことだから、体調を壊したりはしてない? 少しだけ、心配だな。
僕は、多分、君がこの手紙を見る頃には、宇宙空間を進んでるんだろうな。その頃にはもちろん、人間の身体はなくなっているから、睡眠も食事も必要ないよ。便利ではあるけど、少し味気ないかな。もしかしたら、そう思う感覚すら、なくなっているかもしれないけれど。
何の話かわからないかな。ごめんね、不気味だと思うかもしれないけれど、少しだけ、付き合って欲しい。終わったら、計算用の裏紙にでもしていいから。
僕はね、君と出会って、君からこの星のことや、人間のことを、教わったんだ。ううん、それだけじゃなくて、心のこととか、色んな感情とか、とにかく、宇宙の星の欠片をやっていただけだとわからないような、沢山のこと。