例えば星をつかめるとして
*宇宙が生まれるときの話
「隕石……?」
朝一番、私はテレビから流れるニュースを見て、そんな声をあげた。
『昨夜未明に降ってきた隕石ですが、衝突時の直径は15センチ程度と見られ、山の一部に抉れたようなクレーターを形成しています』
アナウンサーの淡々とした声が情報を伝える。けれどその突飛な内容より、私は映像に目を奪われた。
「え……嘘でしょ」
答えを期待している訳でない呟きが、思わず漏れてしまう。そのくらい、動揺していた。
別に隕石が好きだとか、宇宙人だとかUFOだとか、そんなのに興味があったわけじゃない。ただ、だって、仕方がないじゃないか。
その映像に映っているのは、あまりにも見慣れた、見慣れすぎた景色だったのだから。
「三原山……?」
画面の右上にはやはり、私の住む街とすぐ近くの山の名前が表示されていた。
私が生まれ育った扇町は、大都会というわけでもド田舎というわけでもない、割合どこにでもありそうな街だ。
少し時間はかかるけれど、電車に乗れば都会にも行ける。そこそこ大きいビルだって建っている。けれど、目を凝らせば山の稜線が見えるし、頂上からは風が吹き降りる。
三原山は、そんな私の街の一番近くにある山で、小さい頃は虫取り網を持って駆け回ったりもした。そんなことも、何年か前からすっかりなくなってしまって入ることもなかったわけなんだけど。
朝一番、私はテレビから流れるニュースを見て、そんな声をあげた。
『昨夜未明に降ってきた隕石ですが、衝突時の直径は15センチ程度と見られ、山の一部に抉れたようなクレーターを形成しています』
アナウンサーの淡々とした声が情報を伝える。けれどその突飛な内容より、私は映像に目を奪われた。
「え……嘘でしょ」
答えを期待している訳でない呟きが、思わず漏れてしまう。そのくらい、動揺していた。
別に隕石が好きだとか、宇宙人だとかUFOだとか、そんなのに興味があったわけじゃない。ただ、だって、仕方がないじゃないか。
その映像に映っているのは、あまりにも見慣れた、見慣れすぎた景色だったのだから。
「三原山……?」
画面の右上にはやはり、私の住む街とすぐ近くの山の名前が表示されていた。
私が生まれ育った扇町は、大都会というわけでもド田舎というわけでもない、割合どこにでもありそうな街だ。
少し時間はかかるけれど、電車に乗れば都会にも行ける。そこそこ大きいビルだって建っている。けれど、目を凝らせば山の稜線が見えるし、頂上からは風が吹き降りる。
三原山は、そんな私の街の一番近くにある山で、小さい頃は虫取り網を持って駆け回ったりもした。そんなことも、何年か前からすっかりなくなってしまって入ることもなかったわけなんだけど。