例えば星をつかめるとして
「そうだよね。僕も、こんなに簡単に信じてもらえると思ってないよ」
「……そう」
静かに相槌を打つ。ごめん、とは言わなかった。
「そうだなあ……それじゃあ、君が僕を見張るって言うのはどう?」
やはり気分を害した様子のない星野が、そう提案する。
「見張る?」
「そう。僕が、変なことをしないように。それなら君も安心だよね?」
「……そう、だけど」
見張る、だなんて。
何でもないように言っているけれど、星野はそんなことをされて嫌ではないのだろうか。
「僕はそっちの方が安心だな。君から知識を読み取ったとは言え、まだ知らないことも多いから、過失もあるかもしれないし」
「まあ、確かに」
私は考える。この宇宙人を、見張る。四六時中は無理だけど、学校にいる時くらいなら出来るだろう。確かに私が見張っていいというのなら、安心して……とまでは言えないけれど、教室の中に星野がいることを受け入れられる。
それに、本人だってそうして良いと言っているのだし、断る理由はなかった。
「……わかった。それじゃあ、見張らせてもらうから」
「うん。よろしくね」
星野はにこりと笑う。やっぱり何を考えているかはよくわからなかったけど、その笑みは不快なものではなかった。