涙ーありがとうを君にー
第二章 流れる刻
「ご飯よ」
と、優花が屋根を見上げると二人は小さい頃よくそうしていたように、
手を繋いで寝ていた。
二人は無意識なのだろう。
「変わってないな、
二人とも。
一緒に寝るといつも手を繋いでいる」
ふと、背後から声がして振り向くと、
旦那である懍がいた。
「ええ。
変わってないです」
ふっ、と二人は顔を見合わせて笑った。
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