涙ーありがとうを君にー
ふっと、峰子と滋行が相好を崩した。
「そうか、
お前達の前の時はだいたいしかめっ面してる時だからなあ…
だが、二回笑ってあった事あるぞ。
一回目は、
お前達とはじめましてあった時。
二回目は、
五歳の本家でやった七五三の時。
まあ、
覚えてないだろうな…」
滋行が苦笑しながら話す。
それから峰子が言葉をつなぐ。
「何と言っても、
十年以上も前ですからねえ…
七五三の時は琥珀と瑠璃が七歳だからって四人まとめてやったしね」
湖咲は漸く思考停止から復活し、
瑞穂は笑顔になっている。
「今のを聞いて、
やっぱり父様と御祖父様がちゃんと親子なんだなぁと安心しました…
父様の飄々としたところは御祖父様譲りなのですね」
そんな瑞穂の言葉に、
懍は苦虫を噛んだ顔をする。
「…そうかなあ」
「ええ、間違いないわね。
強いて言えば、無茶と無謀の違いがわかってないとことか、
自由奔放なところとか間違いなくそっくりよ」
峰子がズバッと言うと、
「「「…さすが峰子様」」」
と霄と優花と希衣が揃って頷く。