涙ーありがとうを君にー


「…そういえば、霄」

暫く、楽しく笑っていた皆は滋行の一言で真剣、尚且つ険しい顔になる。

「はい」

霄の返事も重い雰囲気を漂わす。

「琥珀と瑠璃はいつ頃此処につく?」

滋行が問う。

「幸い、仕事が終わりこちらに帰ってくる途中ですので、
後二、三時間でつくかと…」

霄が答える。

「瑞穂、湖咲」

滋行が呼び掛ける。

「「はい」」

返事をする。

「直ちに、仕度を済ませ、琥珀達の元へ。

懍を襲った者がくるかもしれない。

刃をむけてきたのならば、容赦なく切り捨ててよい。
深追いはするな」

滋行の声が静かなのに烈しさがうかがえる。

「「御意」」

瑞穂と湖咲は一礼して出て行った。
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