涙ーありがとうを君にー


「失礼します」

瑠璃は居間に戻る。

居間には既に手当を済ませた琥珀がいて寝間着の浴衣に打掛を掛けて、
座っていた。

「琥珀っ、大丈夫?」

「大丈夫だよ。

やっぱり、お前らってさ〜そっくりだなぁ。

今の瑠璃はさっきの瑞穂と同じ顔してる」

「………?」

琥珀の言葉に皆が首を傾げる。

「だから、
学校で湖咲と瑠璃を待ってる時に今の、
瑠璃と同じ顔で何度も
『大丈夫?』
って聞いてきたんです。

んで、
見計らってきたかの様に、瑞穂が泣き始めたら、
湖咲と瑠璃が来たんです」


ふ〜ん、
と頷く瑠璃以外の者。

「ところで、
瑞穂どうだったんだ、
瑠璃?」

琥珀の問いに、
瑠璃はニヤリと笑ってみせると、
携帯を取り出し写真を見せる。

「一応湖咲にも、
布団掛けておきました」

瑠璃の返答に、

「ありがとう。

それから、
遅くなってしまったけど、お帰りなさい」

霄が微笑む。

瑠璃も微笑み返す。


「滋行、
凜も琥珀も怪我を負って、瑞穂も熱でダウン。

恐らく、
琥珀にも移っているでしょうし、
詳しい事は明日にして、
今晩は休みましょう」

峰子が滋行に提案する。

滋行は頷き、

「そういう事だ。

今晩はお開きにしよう。

瑠璃、
琥珀が珍しく怪我したから面倒みてやれ」

「御意」




とりあえず、
今晩はお開きになった。
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