涙ーありがとうを君にー


「紫の瞳、
そして右目のしたに赤い星が彫ってありました」

琥珀が思い出す様子を見せながら答える。

「・・・そうか。
わかった。

琥珀、常に誰かと一緒にいなさい。

一人になるのは思わしくない」

滋行は頷く。

「琥珀、部屋に戻り休みなさい」

琥珀を部屋に戻るように促す。

「御意。

失礼いたしました」

一礼をして琥珀は部屋へと引き上げていった。


「瑞穂・・・熱は今何度ある?」

滋行は瑞穂を見つめる。

「・・・先程は38・9℃でした。

ですが、大丈夫です。

昨晩に比べて下がってきていますので」

気まずそうな顔をして目を逸らす。

それを聞いた滋行は、
眉間にしわを寄せる。

「それは大丈夫とは言わない・・・

ちなみに湖咲の熱は?」

にこっと笑って、

「えへへ、おしょろいの38・9℃です。

・・・おじいしゃまぁ、抱っこぉ」







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