私は暇じゃない





「なによ。友達がこんなに死んでるのにリョーヘイは黙ってるの」

「んー」



 死んでるのにってか。
 確かに色々と混ざりあって死にそうなのは本当だ。

 突っ伏したまま突っ込むと、「みちるさ、わかってたんだろ」と亮平の冷静な声に、まこちゃんが「えっ」という。



「智治と洋子がデキてるって」

「うん」

「えぇ!?ちょ、えぇ!?」



 智治というのは、私の彼氏である。で、洋子というのは友人だ。

 あの智治と、洋子と。


 友人だから、彼氏を紹介したり会ったりすることはあるだろう。だが、いつしか見ていると、ん?となることが増えた。よぎるのはあまり良くないこと。だって、友人と自分の彼氏が付き合ってるだなんて信じられるものか。信じたくないだろう。彼氏だし、私の友人なのだから。


 だが、だが――――。
 とあるもので、事実だとわかった。

< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop