恋人はご主人様
「悪い井上、またな!」
「ああ、はい…また」
むーさんを追って、池沢くんもあっという間に消えていった。
結局、好きな人がいるかどうかは不明…か。
あーあ…また殴られるかも。
「くーん…」
「…帰りますか、疲れたし」
「わんっ」
頭を撫でてから歩き出す。
冷えた空気の中走ったからか、耳が痛い。
はあー、疲れた…。
家に帰って寝よう、そうしよう。
今日が土曜日で良かった…。
週明けの月曜日、修学旅行に持っていく物の検査があった。
そのあと集会が終われば僕らは下校。