恋人はご主人様
崎本さんにばかり構っていられない。
せっかくの旅行なんだ、僕だって絢菜さんと楽しみたい。
沖縄に行くの楽しみにしてたからなぁ…。
ゴーヤ食べさせられなきゃいいんですけど。
きっと無理矢理食べさせてくるだろうし…。
明日以降のことを考えて口が緩んだ。
今日はあまり話せなかったし、明日はたくさん話そう。
あ、夜にメールしてみるのもいいかもしれない。
電話は絢菜さんが嫌いだからあまり出来ないけど…。
「アタシがこんなに落ち込んでんのに何アンタ!?
むかつくんですけど!!」
「うわぁ…っ、ギブギブ!」
胸ぐらを掴まれて机に乗り出す。
周りの人見てるんですけど…っ!!
ああ、もう…こんなんで本当に、崎本さんの恋は叶うんでしょうか…。