恋人はご主人様
―秘密と下準備
手持ちの荷物を持って家を出た。
さすがに今日は交通機関を使いますよ…。
もう、12月だし。
マイペースに進んでいく。
すると、後ろからクラクションを鳴らされた。
振り返って見れば見覚えのあるリムジンだった。
執事さんが降りてきて僕のほうに来る。
「おはようございます井上様」
「おはようございます…」
「どうぞお車へ」
遠慮しなくていい…かな。
お礼を言って車に乗り込む。
中にいたのはやっぱり、絢菜さんだった。
左の端に座っていたので対になるように座る。
う、逆に進む感覚は慣れないな…。