恋人はご主人様
「栗山は井上の隣に。
あの空いてる席な」
「はい…」
栗山さんが歩いている間、皆が見続ける。
その視線を避けるように下を向いて僕の隣に来る。
物音をたてないように座った栗山さんに笑いかける。
「井上 樹乃です。よろしくね」
「あ…はい」
「樹乃って珍しいでしょ?
よく不思議がられるんだ…」
「そうなんですか…」
なんか、怖がられてる??
そのときチャイムが鳴って、女子が集まってきた。