恋人はご主人様
いぶかしげに僕たちを見る、後ろに。
「栗山さんなら、後ろにいますよ」
「―!?か、香奈…!?」
振り返って顔は見えないけど、赤い耳が気持ちを教えてくれる。
「哉…私、何にも知らないで…ごめんなさい。
哉は私のこと、守ろうとしてくれてたのに…っ」
「いや、俺のほうこそ…悪い」
一歩一歩近付いて、2人が抱き合う。
…僕たちのこと、忘れてるな…(笑)
「もう泣かせねぇから。
守るから。…付き合って?」