恋人はご主人様
「うん…っ、うん!大好き!」
幸せそうな2人を置いて、僕たちは静かに倉庫を出た。
「はぁー!良かったですね!」
「そうね、香奈ちゃんも幸せで…なによりだわ」
「明日から、学校戻れますよね?」
「えぇ、そのつもりよ」
…あの子に、何も言えなかったなぁ…。
よく話しかけてくれたのに。
ま、いっか。
「あ、絢菜さん!」
「なぁに?」
「好きです!…なんて、ははっ」
いきなりすぎるよなぁ…あの2人見てたら言いたくなったなんて。
「ふっ…私も好きよ」
「―ッ!!」
優しく微笑む絢菜さんに、体が固まる。
「犬としてね!(笑)」
「えぇ!?!?」
笑いながら走って逃げる絢菜さんを、僕も笑って追いかけた。
…正直笑えないですけど(泣)