恋人はご主人様
あだ名は…『ヘタレ』『犬』。
まぁ、絢菜さんが付けたんですけどね…。
昇降口に着いて、代わりに下駄箱を開ければ…
―バササササーッ
「…毎日毎日、大変ね」
「だったら自分で開けて下さいよ…」
「アンタじゃないわ。
入れた奴等よ」
「…ソウデスカ」
でも、僕は知ってる。
家に帰って笑いながらラブレターを読んで、そのまま暖炉で燃やしていること。
10月の寒き日、絢菜さんはラブレターを炎を大きくするために使っている。