恋人はご主人様
地べたに座って、俯く河谷くん。
「河谷くん、大丈夫ですか?」
「…井上?わり、さんきゅー」
缶コーヒーを渡せば、疲れたように微笑む。
視線の先を見れば、黒塗りの車に乗り込むお偉いさんがいた。
「…親の会社で、中毒騒動があったらしくてさ…。
でもうちは、食品の管理は徹底してるんだ。
そんなはず…ないのにな」
そうか、河谷っていったら…国内で有名な河谷フーズ。
冷食とは思えない美味しい食品をだして有名になったんだ。