恋人はご主人様







「…〜…、」


樹乃の口から寝言が聞こえた。

もっとはっきり聞こえるように耳を澄ませる。

自分の名前でも呼べばいいのに、と笑った。

しかし、口から出たのは…


「かわたにくん、がんばりま、しょー…」

「…」


この子、殴ってもいいかしら?

いいわよね、だって…っ!

―ブブ…ッ


「…」


振り上げた手を下げてメールを見る。


20XX/11/27 10:48
From:御門
Sub :よう!
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
例のやつ、裏とれたぜ!
仕事終わったら寄るな★
  ------END------



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