恋人はご主人様



目の前にそびえ立つ高級住宅。

ここは河谷くんのお家。

けど、不穏な空気みたいなのが、漂っていた。


「洋平」

「、あ…父さん!」


袴姿の男性が僕たちに近づいてきた。

やっぱりその人は河谷くんのお父さんで

少し疲れている感じだった。

ふと視線を動かして…目が、あった。


「…君が井上くんだね」

「はい、井上 樹乃と申します」

「洋平が世話になっているね」

「いえ…そんなことないです。
 困ったときはお互い様ですから」



< 82 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop