恋人はご主人様
目の前にそびえ立つ高級住宅。
ここは河谷くんのお家。
けど、不穏な空気みたいなのが、漂っていた。
「洋平」
「、あ…父さん!」
袴姿の男性が僕たちに近づいてきた。
やっぱりその人は河谷くんのお父さんで
少し疲れている感じだった。
ふと視線を動かして…目が、あった。
「…君が井上くんだね」
「はい、井上 樹乃と申します」
「洋平が世話になっているね」
「いえ…そんなことないです。
困ったときはお互い様ですから」