恋人はご主人様



「まだやってるの?
 随分マイペースね」

「あっ、絢菜さん?!?!」

「絢菜様?!?!」


驚く僕たちを放置して歩き回る。

何かブツブツ言ってるようだけど、聞こえない。

数分歩き回って…あるところで止まった。

そういえばあそこ、掘ってないかもしれない。


「樹乃、ここ掘りなさい」

「え?」

「聞こえなかったのかしら?
 ここ掘れわんわん、よ」


そう言って楽しそうに笑う。

とりあえず言われた通りシャベルで掘っていく。

そんな行き当たりばったりで当たるはずがないでしょう。

僕たちは何日もかけて掘ってきたのに

そんな簡単に当たるはずが…



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