恋人はご主人様
―一目惚れと第一印象
あれは、入学式前日のこと。
親の都合で一足先に交通機関を使うことになった僕は、時間を確認していた。
「徒歩とバスで、20分か…」
だったら30分ので間に合うな、って考えながら校舎に向けていた体を反転した。
すると、道の向こう側に…1人の人がいた。
僕はその人を見た瞬間、走り出した。
「…あ、あの!」
「…?何か?」
振り返った顔はとても綺麗で、体が硬直してしまった。
「あの?」
「…ぁ、えっと…!
一目惚れしました!
だから…あの…」